
相続の開始があった日から10ヵ月以内に相続税の申告書を提出します。被相続人(お亡くなりになられた方)が残された財産から銀行借入金等の債務を控除した残額が、基礎控除(5000万円+1000万円×法定相続人の数)を超える場合に、相続税の申告書の提出義務が発生します。
相続税の税率は下記となります。(平成21年12月31日現在)
| 課税標準(※) | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | - |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 3億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円超 | 50% | 4,700万円 |
※基礎控除後、及び法定相続分により財産を取得したと仮定した場合の、各自の相続財産の価格となります。
贈与税の税率は下記となります。(平成21年12月31日現在)
| 課税価格(※) | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | - |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,000万円超 | 50% | 225万円 |
※基礎控除後の贈与財産の価格となります。
まず相続人全員でだれがどの遺産を相続するかを決め、遺産分割協議書にまとめてください。遺産分割協議書は、その後、相続税の確定申告書に添付したり、不動産名義を変更する際に法務局に提出したり、預金名義、株式名義を変更する際に金融機関に提出したりしますので、ある程度形式に沿った形式で作成する必要があります。また、遺産分割協議書には、相続人全員の自署および押印(実印)が必要となります。遺産分割協議を行わないままにしておくと、次に相続人がお亡くなりになった際に、遺産分割が大変困難となりますので、早目に遺産分割協議を行う様に留意が必要です。
法定相続人とは、被相続人が亡くなったときに、相続権がある人をいいます。法定相続人は、下記のうち最も順位の高い者となります。また、法定相続割合とは、相続税額の計算上用いられるだけですので、法定相続人は、法定相続割合通りに相続しなければならない訳ではありません。
| 法定相続人 | 法定相続割合 | |
|---|---|---|
| 第一順位 | 配偶者と子供(その子供が死亡している場合には、その子) | 配偶者2分の1、子供2分の1 |
| 第二順位 | 配偶者と父母(父母が死亡している場合にはその祖父母) | 配偶者3分の2、直系尊属3分の1 |
| 第三順位 | 配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1 |
※嫡出でない子供の相続分は、嫡出である子供の相続分の2分の1
※代襲相続人の相続分は、被代襲相続者の相続分と同一であり、数人の代襲相続人があるときは、その各自の被代襲社の相続分を等分する。
※子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときには等分する
兄弟姉妹以外の相続人(子の代襲相続者含)については、「遺留分の減殺請求」により、相続財産のうち下記一定割合を相続することができます。遺留分とは、遺言書によっても奪うことの出来ない相続人の権利を意味します。
| 相続人 | 遺留分 | 法定相続割合 |
|---|---|---|
| 配偶者と子供のみ(その子供が死亡している場合には、その子) | 2分の1 | 配偶者4分の1、子供4分の1 |
| 配偶者と父母のみ | 2分の1 | 配偶者3分の1、父母6分の1 |
| 配偶者と兄弟姉妹のみ | 2分の1 | 配偶者2分の1、兄弟姉妹無し |
| 配偶者のみ | 2分の1 | 配偶者2分の1 |
| 子供のみ | 2分の1 | 子供2分の1 |
| 父母のみ | 3分の1 | 父母3分の1 |
遺留分の減殺請求を行う際には、その遺留分の減殺請求を行うことができることを知った時から1年以内に、家庭裁判所に請求しなければなりません。
自分が相続人になったことを知った時から3カ月以内に、家庭裁判所に相続放棄を申請すれば、あなた(法定相続人)は、初めから相続人でなかったことになりますので、銀行借入金も引き継ぐ義務は無くなります(無論、財産を引き継ぐこともできません)。
万が一ですが・・・。悪質な債権者等が、3ヶ月を経過した後に債務の請求をしてきた場合や、やむを得ず債務超過であったことを知ることができなかったような場合には、家庭裁判所にその旨を申述すれば相続放棄が認められる場合があります。
また、相続放棄をする場合には、相続権が次の順位の相続人に移ることに注意しなければなりません。例えば、父が死亡したときの法定相続人が母と子である場合、財産を母に全て相続させることを意図して、子が相続放棄をしてしまうと、子の相続権は、死亡した父の両親、或いは兄弟姉妹に移るため、遺産分割協議によっては、財産を全て母に相続させることができなくなります。「相続放棄」と、「相続財産を受け取らない」ことは、全く異なりますので注意して下さい。
限定承認という方法があります。上記の相続放棄同様、自分が相続人になったことを知った時から3カ月以内に、家庭裁判所に届け出れば、あなた(法定相続人)は、承継する財産の額までしか、借入金等の債務を引き継ぐ必要が無くなります。プラスの財産が多い場合には、そのまま全て相続することができますし、マイナスの財産が多い場合には、マイナスとなる部分は引き継ぐ必要が無くなるのです。
この限定承認は、非常に便利な制度ですが、幾つか難点があり実務上は多用されていないのが現実です。
家庭裁判所への申請、又は遺言により、息子の相続権を失わせることが可能です。これを相続排除といいます。相続排除ができるのは次の場合で、家庭裁判所が認めた場合に限り有効となります。
排除は遺言でも可能です。この場合は被相続人に代わって、遺言執行者が家庭裁判所へ申請を出すことになります。遺言執行者とは、遺言による遺産分割を実行する人のことで、被相続人が遺言で指名するか、相続人の申し立てにより家庭裁判所が選任します。尚、相続排除が認められた場合、相続権を失うのは該当する相続人だけです。子がいる場合は子が代襲相続します。
夫が死亡した場合の相続を一次相続と呼び、その後妻が死亡した場合の相続を二次相続と呼んでいます。一次相続の際には、前のQAで説明した「配偶者の税額軽減」の規定があるため、妻への相続財産に対しては殆ど相続税が課されませんが、二次相続の場合には、この規定が無いため、思わぬ相続税が課されることが多いです。一次相続の際に、あらかじめ子供に相続をしておくことにより、二次相続の問題の一部は解決されます。
例:
夫が死亡
相続人は妻及び子供1人(合計2名)
相続財産は1億円、将来二次相続までにその財産が1.5億円に増加する予定
| 夫の死亡時に、相続財産の全てを妻が取得する場合 | 夫の死亡時に、相続財産の全てを子供が取得してしまう場合 | |||
|---|---|---|---|---|
| 妻の相続税 | 子の相続税 | 妻の相続税 | 子の相続税 | |
| 一次相続(夫の死亡) | 0円 | 0円 | 0円 | 400万円 |
| 二次相続(妻の死亡) | - | 2000万円 | - | 0万円 |
| 相続税合計 | 2000万円 | 400万円 | ||
上記のように、一次相続の際の遺産分割を工夫することにより、トータルでの相続税債務を圧縮することができます。